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zoom RSS PSY・Sのアルバムレビュー(その他2−1)

<<   作成日時 : 2005/08/24 23:25   >>

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 さて、その他第2弾です。。。
 「SIGNAL」の後に発売されたアルバムはオリジナルではなく、ベストアルバムでした。
 「SIGNAL」にポップなナンバーが多く、その延長線で「Friends or Lovers」が発売されたのがトリガーになったんでしょうか?何故、この時期に?という疑問が湧いてきます。
 まずはその経緯のインタビューをアップしたいと思います。。。

−リテイクを含めたベスト盤を作るまでの経緯から教えてください。
松浦◇本当は前のオリジナルアルバム「SIGNAL」が出る前に、ベスト盤をやりたかったんですよ。
 「ATLAS」を作った年の年末にNKホールで1回だけのライブというのをやったんですけど、それまでの古い曲も全部、フラットに選曲してたから、そこでもうすでにベスト盤的な様相というのが何となくあったんです。元々1枚目とか2枚目のアルバムは、全然ライブでやることを前提に作られてないんで、僕としてもライブで演奏できるというふうには思ってなかったんですよ。ところが、バンドの皆さんが非常に優秀なので、リハーサルをしていくうちにどんどんバンドの音になっていくと。だから、実際にもっともうまくいった代表的なライブと言われているのが、NKホールでのライブなんです。そう言われるだけのことはあって、そのパワーをそのままベスト盤という形に向けられればなあと思っていたから、もし「SIGNAL」を出さずにベスト盤を出していたとしたら、バンドで録ってたかな。でも、そこまでのテンションがあるんだったら、ベスト盤に費やすよりはオリジナルを作った方がいいんじゃないかっていう話もあって、「SIGNAL」を作ったのね。そこでバンドのパワーを結集したから、このベスト盤の方は逆に一人きりになってしまったわけです。
−バンドと1人でやる場合の意識の違いっていうのはありますか?
松浦◇いや、特に区別はしてないです。僕としては、ライブでやっていることはレコーディングにフィード・バックしたいし、レコーディングでやっていることはライブに反映させたい。1人でやっていることは他の人間とやっていることに反映されるべきだし、その複数は全て個人に対して刺激的であるべきだという、すごく当然の考えに基づいてやってるんです。だから、常に”To be continued”でないといけないっていうか。その次に続く第2話の、何かにつながるかっていうことしか考えてないのね。それを考えないと今の最大を出すっていうことができないと思うから。
−選曲はどのようにやられましたか?
松浦◇「SIGNAL」は発売時期が近かったのであえて外して、それ以前の5枚のアルバムの中から選曲しました。ただ、主観で選んでいると、どうもまとまらない。僕とかチャカって、はたから見てるとすごい独断と偏見に満ちて、これだって言ってゴリ押しして決めそうに見えるでしょ(笑)。ところがね、全くそういうのはなくて、どれをベスト盤に入れてもいいと思ってたんです。すると、今度はまわりがこれを入れよう、あれを入れようって、なんか小学校の運動会でいう玉入れみたいにやり出すわけですよ(笑)。これじゃいつまでたっても決まらないから、シングル盤になったものを入れようという発想で、基本的には選曲することにしたんです。だから、8割方はシングルから選んで、残りの2割ぐらいは周辺の主観でまとまったものが一応入っているということになりますね。

−リアレンジに関しては、単に以前のオリジナルとは違うというだけでなく、かなりサウンドの傾向が変わってきているように思うんです。一番分かりやすい例だと、「Brand-New Menu」とか。打ち込みという同じ手段にもかかわらず、全然肌触りが違いますよね。
松浦◇サウンド傾向の変化には、2つ理由があるんだけど、レコードに入ったものは2度と形が変わらないでしょ。だけど、ライブで演奏していくうちに、やっぱりアレンジが変わってくるんですよね。譜割り上鳴っているものとかはレコードと比較して別に増えてないんだけど、微妙なそのときの感じとかで違っちゃってるんですよ。それと、何回も演奏してるから、頭の中で鳴ってない音が勝手に鳴ってたりするのね。そういうものが入ってたりすることが、まず1つあります。
 もう1つの理由は、アルバム全体の仕上がりと、楽曲そのものの生命力とは、僕は結構別に考えてるんですよね。僕の場合、こういうアルバムにしたいから、こういう曲をかくっていうのはできないんですよ。でも、こういうアルバムにしたいっていうのは何となくある。で、メロディーは結構変わらないんです、僕の中では。多分、3種類ぐらいしかないんじゃないかな。その基本的にあるメロディーのイメージみたいなものが、その時のアルバムのイメージによってアレンジされていくわけ。でも、ライブはアルバムの順序を飛ばしていろんな曲を演奏するから、また別の前後感覚みたいなもので違った生命力を帯びてくる。だから、アルバムはコンセプトで作られてるんだけど、ライブの方はそのコンセプトで作られたものとは違うものになっているわけですよね。最初ライブを始めた頃に、ライブはアルバムの再現なのか、それとも独自のパフォーマンスなのかっていうことをよく聞かれて、結構答えに困ったんだけど、どうやら後者らしいです。
 そういった理由があって、同じような打ち込みをしているんだけど、できあがってくるものが違うっていうのはありそうですよね。
−「From The Planet With Love('87 Version)」っていうのは、CDV-Versionということですが?
松浦◇'87年のちょうど3枚目の頃に、CDVを出してるんですよ。今CDVは、VSDになってるけど。そのCDVのオーディオトラックの中の1つに、それが入ってるんです。
−「ATLAS」のビデオでも見れますけど、ライブ・バージョンに近いですよね。
松浦◇うん、あれは近いです。だから、ライブがスタジオで録ったものに影響されてたりとか、そういういろんなフィードバックのやりとりがありますね。でも、エンジニアと一緒に今聴いていて、ゲェ、スネアにゲートがかかってる、恥ずかしいなとか言ってたの(笑)。'87年のリテイクでしょ、音の傾向とか今と全然違ってるから。歌詞とかでも、若干恥ずかしくなるような所があったりするんだけど、まあそれはベスト盤だからいいかなと。
−すでに録ってあるものをアレンジするのは、結構やりにくくありませんか?
松浦◇それはないな。ただ、オリジナル・アルバムを作るときは、曲ができたらすぐアレンジに入るから、時期的に近いときに両方の作業が行われるでしょ。それが、こういう風に時間があいちゃうと、自分に対してすごく冷静に、客観的に見れる。そういうところで、また違ってきますね。
 結構アレンジのバリエーションはできるものなんですよ。得手不得手はあるかもしれないけど。ベスト盤以外の曲でも、多分かなりのアレンジのバリエーションができると思います。ただ、ともすれば打ち込みで音楽を作る人はそういう部分での器用貧乏みたいになってしまう可能性がありますよね。そういう風にならずに、なおかつ自分の得意なものばかりをやるっていう狭さにも陥らずに突き詰めていくことは、結構難しいけど、面白い作業なんですよね。また、それをやった後に、自分の作った曲が違って聴こえてくる面白さもあるし。
 いつも思ってるのが、同じCDを聴いているのに、いつも違うように聴こえるようにできないかって言うことなんです。自分の精神面で主観的に違って聴こえるっていうんじゃなくて、ほんとに毎回バランスやアレンジとかが違って聴こえたら面白いなと。今はそれを自分の頭の中のイメージで、かなり絞り込んで形にしているということはいえますね。そのできあがったものに深みがあるかどうかは、たぶん表に現れなかった伏線の量で決まってくるんじゃないかな。

−リミックスは、傾向は変わったにしろ、1stの後にリミックスの12inchを出されたりと、昔からやられてましたよね。
松浦◇裏表のある性格なんでしょう、きっと(笑)。今回のリミックスは、もともとあったものを再構成して別のものにしようとかいうんじゃなくて、本当にハイファイなものを作りましょうっていうことだったんです。今はみんなCDだといい音で聴いてると思ってるみたいだけど、CDに入っていても悪い音は悪い音なわけで。アナログ時代は、音楽を実際に聴く環境の中でいろんな工夫をしないといい音が出ないっていう前提があったんだけど、CDになってからは、そういう前提は一応取っ払われてるようなことになってるんだよね。だけど、僕がほんとにこれはいい音だなと思えるようなCDは結構少ない。いい音だと思えるCDに限って、アナログ盤の音を一生懸命やってる人だったりとかっていうのが歴然とあったりするのね。アナログ盤で聴いてもいい音だとかいうような音の良さが、CDの音のよさだったらつまらないと思うんですよ。だから、もっとCDならではのハイファイっていう音をやってみたいなと。それがテーマですね。
−今回の使用機材を教えてください。
松浦◇ほとんどありきたりのものしか使ってません。例えば、「Woman・S」とか「Brand-New Menu」とかでいうと、M1とPROTEUSかな。アナログ・シンセのベースは、オーバーハイムのOBラック。ちなみに、今回リテイクしたものは、ほとんどベースはシンベですね。あと、「Woman・S」のロート・タムとか、ああいうのはフェアライト。ドラムに関しては、ライブで叩いてくれてる田中(徹)君の音を、以前にサンプリングしたものを使ってるぐらいで、そんな程度ですね。
−オリジナル・アルバム(7枚目)は?
松浦◇これからとりかかるところです。でも、ベスト盤は、実はつまらないアルバムになるんじゃないかと予想してたんですよ。自分はすごい節操のないタイプの人間だと思ってたので、こういうふうにベスト盤という形でまとめても、たぶんすごい支離滅裂でこの人は一体何考えてるんだろうっていう(笑)、非常にトーナリティーの薄いものになるんじゃないかと。かといって、そのハチャメチャさを楽しんじゃえるような柄じゃないし。ところが、できあがってみたら意外に一貫性があることに気がついて、僕はびっくりしましたね。
 PSY・Sのファンは、1枚目が好きな人とか、2枚目が好きな人とかっていうふうに結構わかれてたんですよ。僕としては、そういう隔たりがこのベスト盤でうまく納得してもらえればいいなと思ってます。また、新しい人にとってもスッと入っていけれたらと。ただ、そういう結果にいけたことはうれしいんだけど、結構プレッシャーでもありますね。一貫性をあえて自分の中に持たせずに自由にやっているときが、一番気楽なんですよ。だけど、こういう風に自分でもPSY・Sはどういう音楽をやる人たちなのかっていう事が見えちゃった以上、次にやるものは、それを意識しすぎても多分はずすし、意識しないで支離滅裂な気持ちでまたやっても、また今までの支離滅裂な過程を一歩継ぎ足すだけで、今度は納得してもらえないと思うのね。だから、ベスト盤がそうだったように、これからは常に新しい人に対して優しくて、聴き込んでいる人に対しても優しいものでなければいけないということが、とりあえずはっきりしちゃったんです。今まではそういうことを考えずにそのときどきに思いついた一番ホットなテーマでやるっていうのが僕のやり方だったんだけど、これからはちょっとそうはいかないと思ってますね。


 まあ、なるほどというかなんというか・・・納得されられたわけですが(笑)、次はアルバムのレビューとなります。。。
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